「管理不全空き家」
➡「特定空き家」を増やさないために、「管理不全空き家」の制度が既に成立しております
改正法では、「特定空き家」とまではいかない状態であったとしても、手入れなどが不十分である空家について、「管理不全空き家」として固定資産税の軽減措置から除外することになったようです
確かに、特定空き家制度ができた時は、固定資産税等が倍増するという事でしたので、空家の解体も多少増えたようにも思えましたが、遅々として進まずの雰囲気もありました
(確かに、個人の財産が対象ですので、国が動き、代理執行したとしても、所有者さん達から如何にしてかかった費用を徴収でき得るのかというところで問題が生じていたような気がします)
大部分の空き家は、空き家とは思えない“普通の家”の外観を持っているらしいです
(住居としては使用されていないが、家族の思い出の品物や荷物を保管しておく倉庫となっている場合が大半なのだそうです)
ですので、多少モノ等を入れ替えたりしたりもするので、ご本人においても、空き家であるという自覚がないケースが多いとのことです
➡住居としての利用をしてないというケース=空き家のカテゴリーになります
「管理不全空き家」というカテゴリーは「空き家」と「特定空き家」の間のカテゴリー
➡放置すれば「特定空き家」になる可能性がある場合に指定されます
(窓が割れていたり雑草が生い茂ったりしている物件が想定されているようです)
私共不動産業者に売却依頼などがあった時にも、それは見て取れます
相続物件などは問題の中心であり、空家の状態・更地ではあるが、管理不全の状態は多くのケースで見られ、親族関係者の誰もが、費用負担・管理負担は負いたくないという気持ちも分かります
人気エリアなどで売却しやすい物件であれば、動く可能性は高めです
(しかしながら、権利者様方のそれぞれの御意見の調整が難航するのは毎度のことであり、5年で解決すれば早いケースではないとも言われております)
人気エリア外の場合には、相当難しい道筋が待っています
弊社においても、以前の相談案件にはなりますが、地方都市の相続された土地(相続人の方も住所しか知らない)の処分という事でしたが、現地へ行ってみると、大きな樹木が存在し、草などの繁茂も凄まじい有様でした
近隣の業者さんに聞き取りを行ったところ、80坪くらいはある土地ではございましたが、そのエリアにおいては別に大きくもなく、中途半端な大きさであったようでした
言い値で構わないので買取を依頼しましたが、お客様でそのエリアを欲しいという方は存在しないという事で、駄目でした
そもそも、樹木の伐採・伐根で買取価格を大きく超えてしまう可能性がありましたので、相続人様もとりあえず放置するという事になりました
(地方都市でもかなり辺鄙なエリアでしたので、固定資産税等に等に関しても安いという事で、放置されることを決断されたという事でした)
「特定空き家」は、倒壊の危険性があるような空き家が対象としてしてされておりました
住宅の立つ面積が200㎡以下の場合、固定資産税1/6軽減措置があるのですが、「特定空き家」に指定をされると、固定資産税の対象外とするものでした
改正法では、「特定空き家」とまではいかない状態であったとしても、手入れ不十分な空家につき、「管理不全空き家」として軽減対象外にすることになったのです
空家の増加抑制の強化、状態が悪化する前に利活用・撤去などを促すのが目的です
行政区が、「特定空き家」とならないような対策を所有者に指導
➡状態が改善されない場合
➡修理・草木の伐採等の具体策を勧告
(この勧告の段階で軽減措置は外れます)
※特定空家等の流れ
①空き家の調査➡②特定空き家認定➡③助言・指導➡④勧告(住宅用地特例の対象からの除外)➡⑤命令(命令に違反すれば、50万円の過料)➡⑥行政執行
また、利活用等の推進をするために、飲食店・宿泊施設などへの転用もしやすく制度もあるようです(勿論、条件などはあります)
☢空き家のデメリット☢
空き家本体のみならず、近隣エリア全体に影響を及ぼしかねません
①倒壊・損壊・破損(屋根・壁などの崩落による近隣エリアへの影響)
②不法投棄の場所となる
③草木の繁茂
④虫などの発生
⑤動物の棲みつき(鳴き声・糞尿等)
⑥不審者の出入り及び犯罪の危険性
⑦放火などの危険性(日本で起きる火災の要因として、「放火・放火の疑い」が10.2%という驚愕のデータもあるようです😭)
⑧子供たちの侵入などによる危険性
⑨管理不全による、近隣エリアの景観・日照等の問題
等など
(何かが生じてしまったときには、損害賠償の対象ともなり得る事象も、勿論、含まれているという事です)
(⑩もしかしたら、遺された財産の中にお宝が存在するのを見逃してしまうかもしれないという可能性も・・)
私の会社においても、エリアの状態を良くしたいという思いと、物件不足を何とかしたいという気持ちから、空家に向けてはポスティングも行っております
しかしながら、放置空き家に関しましては、いざ動き始めると関係者様がそれぞれのご意見を持っていらっしゃいますし、どなたの意見が正しいというものでもありませんので、どのご相談もお時間は掛かってしまいます(大きな財産を動かすという事になりますので、誰もがそれぞれの立場でのご意見を発せられるのも当然でありますので、これは仕方がないことであります)
また、最近では、地元「品川エリア」においても、空家の解体が何となく増加傾向にあるようにも思えます(数はまだまだ少なめですが)
弊社でも目をつけていた空き家が最近になって3軒ほど解体工事が始まりました
(残念ながら、特に物件化しているという事ではないようでしたけれども・・・)
弊社のある城南エリアにおいても、物件の枯渇状態がいまだ継続中であります
少子高齢化時代を迎え、人口減少が叫ばれる中、再度都心回帰の流れが出てきております
更に、政府においても、「コンパクトシティ構想」を打ち出し、できるだけ一か所に人口を集中させて、効率よく自治体の運営を勧めようという事が見えております
(コロナ禍の地方移住構想とは、真逆の方向性ではございますが)
電車においても、マスクを外されている方の割合が増えてきました
アフターコロナの社会においては、お祭りも開催され始めましたし、平和な日常生活が戻ってくることを願うばかりです
私ども不動産業界に従事する者の仕事は、不動産に関わるお客様の色々な悩みを解決する事です
ご売却・ご購入・利活用・リフォーム・建替・解体等など
お客様によってご希望は千差万別です
(ご売却のみが選択肢というわけではございません)
少しでもエリアの活性に協力していきたいものです
何かが生じてからでは遅いので、早めの対処は必要不可欠(まずは動き出すこと)という事になります
住空間Arcadia株式会社
東京都品川区大井2-27-25
東京都知事(1)107426
☎03-3777-7988
稲葉・米澤
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